PC−FXの同タイトルからの移植。元を持ってませんが、PS用カスタマイズとシナリオの修正、PS用シナリオの追加が行なわれているらしいです。 話は高校最後の1か月、父親の知り合いへ居候する事になって、卒業まで新しい生活をする…と言うもの。 台詞&行動先選択式のアドベンチャーゲーム。
まず、ゲームシステムですが、出てくる自分の台詞を選んだり、マップ上移動できる箇所を選んで話を進めていくタイプです。 まあ、この手のタイプはシステムが完成してますから問題ないレベルの出来です。 驚いたのがメモリーカードへのアクセス速度。かなり高速です。 セーブを開始してから完了まで5秒(実際に計測してませんがもう少し早いかも)程度。 これは驚くべき速度です。ロードも可能なので、行き先や会話の選択はセーブとロードを繰り返すことでベストと思われる選択が出来るので攻略本要らずです。 ボリュームがCD2枚と言うことで入れ替え作業が発生しますが、最後の1週間分だけですし、起動もどちらのCDでも出来るので問題ないです。
繰り返しを前提としているゲームで、台詞のスキップは当然ありますけど、スタッフロールのスキップが出来ないのが一番辛かったかな?
操作性ですが、パッドを持っていることから両手を使いますが、移動、選択以外の操作が片手で出来ないのがちょっと。 ゲーム中盤から多用する台詞スキップがL2なのですがこれがメインの4つのどれかだったら良かったのにと思いました。 コンフィグでオートスキップが出来まして、□ボタンでスキップ中止が出来るのですが、こちらがメインっぽい作りなのが気になりました。 メッセージの早送り、台詞のキャンセルも選択ボタンの○ボタンなので操作的には簡単になってますが、逆に使いにくかったです。 他のゲームでは×ボタンでキャンセルが多く、どうも使い慣れなくて。 当然キャンセルが×なのですが、メニューオープンも×ボタンなので最初困惑しました。 この辺のインターフェイスは他のゲームなどと同じようになれば良かったのにと思います。 ちなみにキーカスタマイズは出来ませんので、作り手としてはベストのキー配列のはずですが使いにくかったです。
シナリオですが、大半が納得の行かないものが多いです。悪くないのも多いのですが、どうも悪いシナリオが目立ってしまいます。 2種類ある美穂のエンディングは結局転生している訳ではないので腑に落ちませんし。 5年後では無く、15年後だって良いのでは?なんて思いましたよ。
一番痛感したのが「厳しさ」が無いのですよね。どうも甘やかせば恋愛が成り立つと思われるシナリオも。 もう少し読み手を泣かせたり、笑わせたり感動するものを書いて欲しかったですね。 この辺価値観の違いといいきられたらそれまでですな。
一番メインのグラフィックですが…最悪です。何が悪いかというとどう見ても同一人物の顔が原画&ムービーとウエストアップCGそれとイベントCGが違うと言うこと。 ウエストアップのCGで言えば、表情が違うと別人に見えるキャラも居ます。 逆にムービーは必見かも(ここまで原画に似ているムービーは初めて見た気がする)。 ゲームCGの一貫性と言う点でマイナスなのですよね。原画とかなりかけ離れたCGが多いのですが、グラフィッカーの腕が悪いのか?それともプロデューサーの裏切りか?
総合的に見ると、絵的に気に入っているとか原画の水上広樹氏が好きとか恋愛ADVが好きな人でどんな不具合も笑って許せる人向けですね。 本当なら☆1個ですけど、キャラで気に入ったのもありましたし、一応全CGを見るまでプレイが持続出来たと言う点で3つです。 もし、綾香ちゃんが居なくて、高橋美紀さんが声をやってなかったらもっと手厳しかったかも。