Non Stop Computing

IT業種から離れて結構経つので思い出話でも。所属していた会社の社外秘には触れないように書きます。

約20年間ストラタスコンピュータ社(現ストラタステクノロジー)のフォルトトレラントマシンで開発を行ってました。引き合いに出されるライバルマシンはTANDEM社のマシンです。停止しては困るミッションクリティカルな業種で使われており、証券取引やクレジットカードのオンライン業務で活躍してました。Stratusの無停止技術は、ハード的に二重化していて、システム稼働中にボードを抜き差ししても動き続ける一風変わったシステムでした(当然二重化されてる双方のボードを抜けば止まりますが)。TANDEMのソフト的に障害復旧処理を記述しておかないとだめだったのに対してソフト的には何も特別な処理を必要としなかった点が面白かった。

最初に使ったマシンはモトローラ68000を搭載していて、当時携わったプロジェクトでのアプリケーションプログラムの5000ステップくらいのソースプログラムをコンパイルするのに20分くらいかかったりしてました。その後、Intel i860を搭載したマシンを使ったときは早くて感動したものです。今のご時世なら、ソースをコンパイルし、エラーを訂正してコンパイル・・・って感じに開発していくと思いますが、当時はソースリストを印刷してエラー修正を書き込んでおき、一気に直してコンパイル、コンパイルの間コーヒータイムって感じだったかな。作るプログラムは1本じゃないからコンパイル中に別のソース編集って感じでしたけどね。i860の後にPA-RISCマシンが出た辺りからはソースの印刷は、目が疲れて机上で確認するときくらいになっていったかな。
StratusのOSはVOSというMulticsから派生したUNIXみたいな独自OSでした。利用はシリアルケーブルを直結した端末か、telnet経由での端末での作業がメインとなります。シリアルケーブル接続時代は、端末はマシンルームにあり、デスクでソースを紙に書いて作成し、マシンルームにもっていって端末から打ち込み、コンパイルって感じだった。この時代にテストフェーズになると端末を複数利用して行うのですけど、端末の奪い合いになるので夕方に出社して夜中に作業、始発で帰るって日も結構ありました。今となっては、一人一台PCが与えられ、telnetで複数端末を立ち上げて作業が出来て快適になりましたけどね。

Stratusで会社のメインパッケージを作る前に、Sequioa SystemのUNIXマシンを使ったことがあります。このマシンもフォルトトレラントマシンでした。それと、辞める前の数年間はTANDEM・・・後のNonStop Serverも使って開発をしてました。当時、ヤフオクにNonStop Serverが出品されて内輪で話題になりまして、結局hpの中の人が落札して使える部品を確保したとかという話を聞いたような聞かないような。