もうやめに・・・してないし

某スーパーが「もうやめにしよう」等と恵方巻を題材にして廃棄の問題を挙げてましたが、よく文面を読んでみると突っ込みどころ満載だった。廃棄を問題にするなら、完全予約制にして、店頭売りをゼロにすればいい。でも、実際は「前年実績で作る」って事。これって「どこでもやってる」事で珍しいことではない、逆にやってなかったことを恥じるべきじゃないか?

ロスについても言ってるが、ロスは廃棄ロスだけではない。機会ロス、不明ロスが存在する。廃棄ロスは名前の通り、生産した品物を廃棄することによる損失。機会ロスは、本来売れるまたは売れる可能性がああるのに品物がなくて売れなかった損失。不明ロスは帳簿と実際の数が合わないケース(万引きや、生産歩留りの相違もあるか?)
廃棄ロスは、どこでも減らず努力をしているロスです。お金を出して仕入れたものをお金を出して捨てるのですから当然です。では、廃棄ロスがゼロならそれでいいのか?と言われるとそうでもなく、本来販売していれば売れる・売れる可能性があった機会ロスが増えるといことになります。広告をうって閉店時に売り場に広告商品がゼロという状態や、営業中に商品がゼロという状態は機会ロスです。この廃棄ロスと機会ロスの制御が売り場の管理者の力量となるわけです。機会ロスを減らせば、廃棄ロスは増える。廃棄ロスを減らせば、機会ロスが増えるのが実情です。
どの企業でも廃棄ロスの許容範囲を設けてると思います。そのパーセンテージが大きいところは問題ですけど、いかにして廃棄ロスを減らして最大限に売り込めるかというのが企業の命題となるわけです。

現場で一番の問題となるのは、機会ロスとなったお客様からのクレームです。例えば、広告をみてガソリンなどの交通費を支払って来店し、品物がありませんでした・・・って結果になったらどうです?文句の一つもいいたくなるでしょう。店が売ると明言したものがなかったら、ある意味詐欺行為でもあります。これは許されますか?お客様が100%許してくれるなら、廃棄ロスは減らせるでしょう。現状では、少なからずクレームとなりますので、それを抑える意味でも仕入れが過剰になり、廃棄ロスにつながるということです。(店で一番恐れるのは、お客様からのクレームです。お客様至上主義の店は特に。売上至上主義の店はお客様なんでどうでもいいのでしょうけど)

では、今回の某スーパーのケースはどうでしょう?「当たり前のこと、やって当然のことを言ってる」だけでしょ?だから共感できない。どうせなら、「完全予約制にして店売りはしません」とか、「もう恵方巻は売りません」とか言わない限り、「廃棄ロスなんて減らないだろう?何いってるんだ?」としか思えないのです。実際、去年の実績で作って数店舗は廃棄が出てます。何なのでしょうね。この辺り突っ込まれないのが作為を感じる。

まあ、日本人はお祭り好きだから(該当しない方もいますが)、何らかのイベントがあれば参加したくなると思います。一度売り込めば、毎年行われるようになりますし、冷めた人が「前ら何をやってるんだ?」ってなっても収まらないのが現状です。クリスマスケーキ、恵方巻、バレンタインチョコ、等々。おかしいと思いつつも毎年売っていかねばならず、売らなければ売り上げにつながらない、やめたくてもやめられない、それが現実だと思います。そういう風土の中で、やめる宣言してやめるのならやめればいいだけです。ただ、やめられますか?って聞きたいですね。